三角窓 重ステ 手動ウインドー…FUN TO DRIVE

 最初はプリセット機能はなく、チューニングボタンで選局していた。選局時に「ピュー、フニョ〜」という耳障りな音を我慢しながら、放送局を探した。カセットデッキ(4・8トラックではなく、通常のカセットテープが再生可能)が登場したのは68(同43)年、やはりクラリオン製だった。自分の好きな音楽が自由に聴ける「車のリスニングルーム化」のスタートだった。

AMだけでなく、FMも聴けるようになった頃のラジオ(写真上)。それでもアナログ感はたっぷりだ。灰皿が標準装備なのも時代を感じさせる

 運転もどんどん楽になっていった。最初にパワーステアリング(パワステ)を回した時には、こんなに楽なものがあったのかと仰天したものだ。特に駐車場などで、切り返してスペースに停める時には、「フーフー」と汗をかいていたものだが、パワステはそんな時に威力を発揮した。トランスミッションもマニュアルしかなかったので、今から考えると、大忙しだった。

 マニュアル車は、時にエンスト(エンジンストール)を起こした。特に免許取り立ての頃は、ローギアに入れて発進する瞬間が一番緊張した。横に女の子を乗せていようものなら、格好悪いことこの上ないので、特に慎重になった。また、坂道発進時なども冷や汗ものだった。