活版印刷の懐かしい音をBGMにカフェでまったり

PRINT+PLANT(東京・柿の木坂)

retroism〜article205〜

 「ガッチャンガッチャン」と、リズミカルで心地よい音が店内に響きわたる。印刷された紙が一枚ずつパサっと引き抜かれていく。今となっては、滅多に聞くことができなくなった印刷工場ならではの音だ。壁一面に並べられた活字。かつての印刷屋は、ここから文字を一つずつ拾って、版を作っていた

 そんな活版印刷機を動かし続けている場所がある。東京・柿の木坂の「PRINT+PLANT」だ。活版印刷の最大の特徴は、インクがなくても、紙を凸版によって押し込むだけで、視認性があるところである。だから、名刺にしても表面をなでると凹凸が感じられ、つるんとした紙では到底出せない深みのある質感が得られるのだ。版を機械にセットするところ。横のレバーを上限位動かして一枚ずつ刷っていく

 チーフ・プリンターの佐藤俊介さんは、柔和な表情で話し始めた。「活版の機械や道具の格好良さに魅力を感じる人もいます。私もその一人ですけど」。満足げな笑みと共に、佐藤さんは、活版印刷の機械や技術を残していきたいと言った。「なくならないでほしいし、なくなったら寂しいと強く思っています。そのために、時代に合った形を模索しながらやっています」 印刷のチーフを務める佐藤さん。黙々と作業をする姿は、昔ながらというより、現代の職人といった風貌だ

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