活版印刷の懐かしい音をBGMにカフェでまったり

 入り口のすぐ右側にはカフェスペースが用意されているのもユニークだ。古い機械が並んでいて、生の葉っぱを薄く削り、ガラスで挟んだオブジェが飾られ、そこでコーヒーを飲む。独自の世界観の中にはゆったりとした時間が存在している。旧式の機械の音を聞きながら、コーヒーやチャイをゆっくりと飲み、空間としての独自性に身を委ねるのもなかなかできない体験である。「そういう場所があってもいいんじゃないですかね」と佐藤さんは、目尻を下げた。PRINT+PLANTという店名通り、落ち葉などを加工してガラスに挟んだオブジェが、カフェスペースに並ぶ

 PRINT+PLANTを運営しているデザイン事務所「アルバトロデザイン」の所長である猪飼俊介さんも印刷された「モノ」が好きで、印刷機が集まってきてその置き場所として、この店ができた、というのが流れである。発注されるのは、名刺やポストカード、コースターなどさまざまだ。機械自体が、A4判までしか扱えないので、あまり大きなものは作れない、というのもご愛嬌(あいきょう)ではないか。高速デジタル印刷機を使ったリソグラフ印刷も活版も両方が可能なところも珍しい。

窓ガラスから、黒々とした活版印刷機が
見える。佐藤さんの作業が見えることも

 「この仕事は本当に魅力があります。僕にとって、ただ単純に楽しいんです」。そう言うと笑顔の佐藤さんが、力強く締めくくった。

 「我々が作る完成品の手触りは、最新の印刷技術では味わえないはずです。それを求める人に届ける。それが僕たちの仕事なんです」

ぷりんとぷらんと
東京都目黒区柿の木坂1-32-17
📞:080-1027-6452
営業時間:午後1時〜同7時
定休日:土

文・今村博幸 撮影・岡本央

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