世界レトロ遺産一覧

 昭和の建築物、下町の町工場、路地裏の風景……。次世代に残したい貴重な物事を世界レトロ遺産として編集部が勝手に認定。選りすぐりの死ぬまでに行きたい昭和のレトロ遺産を紹介する。

おせちに込められた意味をかみしめ 正月を味わう

 お正月の定番料理といえば「おせち」だ。  大みそかの夜から元旦にかけて、こたつや大きなちゃぶ台でおせちを囲み親戚一同が集まり、食べて飲むのが昔ながらの正月の過ごし方だった。しかし、そんな風景も、核家族化の中でずいぶん様変わりした。同時に、おせちの有り様(よう)からその意味合いまで、昭和の時代とは異なってきた。

子供は風の子 「昭和の原風景」記録の終わらぬ旅

 プロの写真家の多くは、自分の興味のある「テーマ」を持って常に追いかけている。自然であったり人であったり乗り物であったりさまざまであるが、共通点が一つある。彼らの作業は、まるで際限のない広い荒野の中で、一つの穴を愚直に掘り続ける行為を思わせるところだ。その先に何かがあると信じてシャッターを押し続ける。撮っている時点では結果は未知だが、彼らは、何かに突き動かされるように進んでいく。

チャルメラ 石焼き芋 切符鋏 耳で感じる昭和風情

毎日聞いていた駅の改札の音がすっかり様変わりしたのはいつのことだろう。今は、自動改札機の電子音が、「ピッ」と鳴るだけ。新幹線も自動改札になり「カシャッ」と音がするだけになった。50年前はもちろん自動改札などではなかった。改札ボックスの中に切符を切る係の駅員がいて、改札鋏(ばさみ)を「カチカチ、カチカチ」とリズミカルに鳴らしながら切符を切っていく。その音が幾重にも重なって、駅独特の音になっていた。人によってリズムが違い面白かったが、ほぼ全国的に消えてしまった。そんなふうに、かつて、繁華街や住宅街には、いろいろな「音」があふれていた。

歴史刻むクラシックホテルで建築美に高揚する

旧約聖書に登場する天使ラファエルが、大きな魚を抱えて、中庭の噴水の上で旅人を癒す。 横浜・山下町にある「ホテルニューグランドホテルニューグランド(以下ニューグランド)」の本館に寄り添うように1991年(平成3年)にタワー館が造られ、ヨーロッパから建材などを輸入してパティオがお目見えした。「ここは、公開地域にしていてますので、ホテル利用のお客様でなくても入れます。夜になるとライトアップされてキラキラと奇麗ですよ」。営業企画部の横山ひとみさんが笑顔で説明した。