モンチッチCEO「レトロで街を元気にするモン」

モンチッチ

retroism〜article212〜

 人同士のつながりは、友情や愛情などという言葉で表現され、幸福を呼び、暮らしまでも豊かにしてくれる。

 人がモノに愛着を抱くのも、生きていく上で必要不可欠と言っていいだろう。対象は人によってさまざまだが、中でも「ぬいぐるみ」は思った以上に心に刻まれることがある。過去、あまたのおもちゃが生まれれては消えていったが、いまだに愛され、人々を魅了してやまないものの一つが「モンチッチ」だ。これまでに世界30ヵ国以上、累計7000万体を売り上げている。

 2023(令和5年)年6月、来年の生誕50周年を前に「彼」が会社を起こしたことは、サプライズだった。社名は「株式会社モンチッチ」。最高経営責任者(CEO)として昭和の匂いが残る全国の地域を活性化させるために日々精力的に働いている。

株式会社モンチッチの設立記者発表会で就任のあいさつをするモンチッチCEO

 モンチッチは、1974(昭和49)年に誕生した。その前身として、72(同47)年、体がモヘアで覆われ、顔と手足がPVC(ポリ塩化ビニルソフトビニール)という「くたくたモンキー」が登場した。モンチッチを製造・販売する株式会社セキグチのマーケティング部シニアマネージャーの幡野友紀さんが説明する。それまでは、人形は『人』の形をしていたものが基本でした。しかし、ぬいぐるみなら動物であったり、架空のキャラクターであったり、さまざまな表現が可能になります」。動物は、性別も国籍もない存在なので、可愛らしく作れば、世界に通用するのではないかということで、「セキグチ」では、ぬいぐるみ作りに着手した。「ぬいぐるみにチャレンジしている中で、顔と表情作りの難しさに直面しました。同時に、まつ毛がクリンとしたものとか、目がクリクリしたものを追求してみたらという発想が出てきました」

 現実的には、ボアの中に表情のある顔をはめ込んでいく作業は簡単ではなかった。試行錯誤の中で考えたのが、ボディーはボアで覆いモサモサにして、顔と手足にPVCを使うことで、顔をうまく表現できるのではないかという発想だった。「最初のぬいぐるみ作りに成功したところから、もっと可愛らしく、赤ちゃんのようなイメージを加えて、モンチッチが誕生したのです」

来年の生誕50周年を記念したグッズの数々

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