モンチッチCEO「レトロで街を元気にするモン」

 60年代、日本においては、動物をモチーフにした肌触りの良いおもちゃはほとんど存在していなかった。触って心地いい、動物をモチーフにしたぬいぐるみについては、同社はパイオニア的存在だ。くたくたモンキーに続き、73(同48)年に、マドモアゼルジェジェ(人形)が発売された。スタイ(よだれかけ)をさせたり指しゃぶりができるようにして赤ちゃんぽさを出したり、さまざまな工夫が施されるようになり、後にモンチッチにも受け継がれた。70年代の初めというと、高度成長の後半ではあったが、子供たちは楽しいおもちゃや可愛いモノに飢えていた。そこに登場したモンチッチは、子供を含め、多くの人々を虜(とりこ)にしたのである。

 やがて、ありとあらゆるモンチッチが作られるようになる。「正確な数は、把握してないのですが、1万種類以上あると考えています。それぞれが別人格という考え方です」。ポーズができたり、毛の色がベージュだったり、学ランを着たり、中には結婚したモンチッチ(生誕30周年時)もいる。それぞれが全く別人格で、今回は、会社を設立してCEOになるモンチッチが現れたというわけだ。

発売当初のモンチッチ。お決まりの指しゃぶりのポーズが愛らしい

 「数あるモンチッチから、自分のお気に入りを選んで、可愛がってもらえればと思っております。自分の子供のように扱ったり、入院した時にもらったモンチッチをお守りのように大切にしていただいているというケースもあります。ここ数年、昭和を中心に当時のモノや事がブームになっています。その中で、モンチッチが昭和のぬいぐるみの代表の一つになってくれれば私どもとしてはうれしい限りです」。実際に、モンチッチは社会現象と言って良いぐらいの大ヒットを記録した。可愛いと思う人たちの心の中には、懐かしさがあり、「実家にいます」などという声も上がっていた。

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