今宵も昭和に酔う一覧

 ガード下の赤ちょうちん、場末のスナック、バブル絶頂期をほうふつとさせるディスコ、時が止まったかのようなレトロな老舗バーなど昭和を体感できるとっておきの空間に誘う。今宵はグラスを片手に昭和に酔ってみては?

魑魅魍魎が跋扈していたわが青春のゴールデン街

 かつて魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)していた世界が東京・新宿に存在した。細い路地が縦横に走る路地を、作家や演劇人など文化人が集まり、自由自在に歩き回っていた「新宿ゴールデン街」である。  わずか三十数年前、誰でも入れる一画ではない匂いをプンプンとさせていた。ドアに会員制と書かれた店も多く、取材などほぼ不可能だった。閉じた空間に集まっていたのは、個性的な店ばかりである。

楽しかった小学校を再現 給食や抜き打ちテストも

将来は宇宙飛行士、野球選手、医者……。小学生の頃には、たくさんの夢があった。 しかし、日々の生活の中では、学校で友達に会い、「今日はなにして遊ぼうか」と思いを巡らせるのが、毎日楽しくて仕方なかった。昨日までうまくできなかった逆上がりを、今日こそは軽々とやってのけたい、ドッジボールでやられた借りを返さなくてはと、燃える気持ちで通学路を歩いた。

酒と泪とオヤジと若者 飲みニケーションの効用⁉︎

 元号が昭和から平成に変わって間もない頃、ある喫茶店で高齢のママとコーヒーを飲みながら、とりとめのない話をしていた。やがて、かつて通っていた客と今の客の違いについての話題になり、ママはポツンと伏目がちに言った。「人と人との付き合いが変わっちゃったのかしらね」。ふと見せた寂しげな表情が印象的だった。人間関係が希薄になっていることは、多くの人が思っているだろう。ただ、人生を重ねてきた人が発する言葉の重さは違う。今でも筆者の頭から離れないのは、人生の大半を数えきれないほどの客と接し、積み重ねて来た人間の言霊だからだと思う。

昭和歌謡と懐かしグッズを肴に一杯飲る

「洒落(しゃれ)ている」という表現は奥が深い。格好がいいとか、垢抜けているとか、魅力的だという意味でも使われる。東京都渋谷区にある「代々木ミルクホール本店」は、まさに「洒落た」居酒屋と言えるだろう。いたる所に、昭和を匂わせるモノや仕掛けが施されていてゾクゾクするほど楽しい酒場なのだ。