
君は見たか? 伝説のジャズ喫茶ちぐさの終幕を
スピーカーから流れてくる音は、全てを包み込んでくれるように優しい。まるで、悲しみに暮れたとき優しく背中をなでられているような、何かがうまくいって、喜びのあまり腕を突き上げたときに、肩をポンとたたかれたような気分だ。
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レコード針を盤に落とす瞬間のドキドキ感。より良い音を求めてアンプやスピーカーを買い換えたり、ケーブルを交換したりするのも楽しみ方のひとつだ。勢いあまってジャケ買いするのも面白いかもしれない。特に若い世代がレコードやカセットテープに注目しているという。いまアナログが新しい!
スピーカーから流れてくる音は、全てを包み込んでくれるように優しい。まるで、悲しみに暮れたとき優しく背中をなでられているような、何かがうまくいって、喜びのあまり腕を突き上げたときに、肩をポンとたたかれたような気分だ。
音楽の力は、計り知れない。美しいメロディーに癒され、優しい歌詞が琴線に触れる。時には、力強い演奏や魂を揺さぶられるようなボーカルが高揚感をもたらすこともある。しかしそれだけではないことを、横浜・野毛にある「ちぐさ」は証明した。
日本人の我々から見れば、アメリカで作られたプロダクトや食べ物に至るまで、何でもかんでもデカく感じられる。 一番わかりやすいのが車だ。一昔前の映画を見ると巨大なサルーンを小柄な婦人が運転しているシーンを度々目にする。食べ物もしかり。小さなハンバーガーやステーキも、そこには登場しないのだ。音楽を再生する機械としては、ジュークボックスが代表格だろう。横浜・本牧にある「FLAT4」は、ヴィンテージ・フォルクスワーゲンの専門店だが、年代物のジュークボックスをメインに新品も扱う個性的な店である。
時を刻んだ年代物の宝の山(コンポーネント)が雑然と並ぶ光景に圧倒される。 その名だたる機器を横目に薄暗い階段を上がって、2階の修理工場へ足を踏み入れると、技術者の鈴木高広さんがニッポノーラの蓄音機の修理にかかっていた。
フロア全体がレコードだけで埋め尽くされた様は壮観だ。どの棚にも310ミリ×310ミリ(場合によっては、315ミリ×315ミリ)のLPと180ミリ×180ミリ規格のシングル盤のみが整列している。かつての「レコード屋」では当たり前の風景だ。
まず初めにラジオが誕生した。その後、記録メディアとして磁気テープ、それを再生するためのテープレコーダーが世に出た。やがて記録メディアはカセットテープに、再生装置はカセットテープレコーダーに進化した。
「レコードで音楽を聴く魅力は、自分と楽曲とのつながりの深さだと思います」 タワーレコード広報室の寺浦黎(れい)さんが言い放った。