カセットテープで昭和音楽を聴き 喜びを分け合う

bar la cassette(神奈川・小田急相模原)

retroism〜article235〜

 今や手元にあるスマートフォンの上で指をササッと滑らせるだけで、いつでもどこでも音楽再生は可能だ。しかし、オープンリールや8トラックなどが主流だった昭和30年代後半以降、音楽の聴き方は革新的な変化を遂げた。1963(昭和38)年に登場したカセットテープである。軽量コンパクトなカセットテープは瞬く間に普及していった。

 そんなカセットテープで流す音楽をBGMにしているバーが小田急相模原駅から徒歩3分のところにある「bar la cassette」だ。壁には、多くのカセットが整然と並ぶ。持参したカセットテープをかけてもらうことも可能だ

 店主のキヨトマモル(喜代門守)さんは、東京・代々木でヴィンテージ・オーディオのショップを営んでいる。「普段から古いものに囲まれて生活しています。年代物のオーディオをバーやレストランに納品するのが本業なんです。機材を運ぶと、お客さんいつ行っても笑顔で、『ここにくると気持ちよく酒が飲めるんだ』って声が聞こえてくるんですよ」バーカウンターは広々していてくつろげる。心地よさにこだわる店主らしい作りの空間だ