時刻表ミュージアム（東京・中野）

retroism〜article210〜

　パサッパサッとページをめくるごとに、小さな文字と数字が次から次へと現れる。言うなれば、駅名と発着時刻の羅列だが、その奥には、限りないロマンと憧れが詰まっていた。

入り口ではB寝台を模した鉄道グッズの飾り棚（左）とブルートレインの色を再現した車両のボディが出迎えてくれる

　東京・中野のマンションの一室に造られた「時刻表ミュージアム」は、館長の鈴木哲也さんが集めたJTB（旧日本交通公社）時刻表と、鉄道関係の書籍やグッズが並ぶ、ユニークな私設博物館だ。

館内に再現されたボックス席。背もたれは、ほぼ直角に伸びていた

　「2020（令和２）年の秋に『(ライフスタイル雑誌)ライトニング』のコレクターを紹介するページに紹介されたんです。記者さんに、将来の夢を聞かれた時に、『時刻表のプライベートミュージアムを造る』と言ってしまい、それで決心が固まり、現在の形になりました」

ホームにぶら下がっていた行き先と乗り場を示す案内板。時代を感じさせてくれる