銀幕の大スター、永遠の歌姫も笑顔でお出迎え⁉︎

マルベル堂(東京・浅草)

retroism〜article152〜

 ほんの小さな写真が、ある人にとっては、大切な一枚になる。写真とは本来そういうモノだし、プロマイドも然(しか)りだ。プロマイド自体に力があるので、囲まれると心地よい威圧感に支配される

 店長兼6代目プロマイドカメラマンの武田仁さんが優しい声で話を始めた。「コロナの前に、福祉施設を回ってボランティアを行っていました。そこで、レクリエーションをやる。プロマイドをテーブルに広げて、この人誰かわかりますか?などとおじいちゃんやおばあちゃんに話しかけるんです」。そうすると昔を思い出して、急に元気になる。「この人の映画見た!」とか「近所に住んでいた」「(仕事で)この人の服のボタンをつけたことがある」などと盛り上がるのだと言う。プロマイドの力、恐るべしである。東京・浅草「マルベル堂」には、そんな「思い出の一枚」が所狭しと並んでいる。

沖雅也、弘田三枝子など往年のスターのプロマイドも人気だ

 「映画界、音楽界におけるスターを販売目的で撮影したもの」がプロマイドの定義である。基本的な決まり事がいくつかあって、まずは写真の判型だ。L版写真よりも縦が1㌢長い(14㌢×8.9㌢)。「昔から1㌢長いというのが(プロマイド)独特の雰囲気を作ってきたのです」。人物も細っそりとした感じに仕上がるのが特徴だ。影がどこにもできないように被写体には正面から照明を当てて、顔をはっきりと見せる。そして銀塩プリント(印刷)を用いる。同社特有のポージングがあり、カメラ目線は当然。手が顔のそばのどこかに写っている、いわゆる「マルベルポーズ」が一世を風靡(ふうび)した。

ジャイアント馬場やアントニオ猪木をはじめ、プロレスラーや野球選手のプロマイドも