エモいがいっぱい! 泊まれる純喫茶で昭和を体感

東京プリンスホテル(東京・芝公園)

retroism〜article153〜

 歴史あるものを二つ掛け合わせると、全く新しい世界が展開される。江戸時代からガラス製品を作り続け、昭和に家庭の台所や喫茶店を席巻した花柄グラスをリメイクした「アデリアレトロ」と1964(昭和39)年に開業した日本を代表するホテルの一つである東京プリンスホテルがコラボした「IN ROOM Retro“泊まれる純喫茶”」と銘打った宿泊プランである。9月11日まで。 レトロなポスターやクッション、赤電話が、古き良き時代を思い起こさせる

 まず、タイトルに感心させられる。おそらくこのフレーズは、今まで誰も見たり聞いたりしたことがなかったと思う。少なくとも、「純喫茶に泊まれる」というユニークな発想は、誰も想像だにしなかっただろう。

 同プランは、「アデリアレトロ」デザインのクッションやポスター、顔はめパネル、赤い公衆電話などが飾られている部屋で昭和を満喫できる。当時、どこの家庭にもあった花柄のグラスでソーダを飲んだり、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す器に盛られたプリンア・ラ・モードなどの喫茶店風メニューに至っては子供も大人も大喜びだ。他にも懐かしさを感じるデザインのタオルハンカチ(全10種類)、アクリルキーホルダー(全12種類)のトイカプセルなど、昭和にどっぷりと浸れる内容となっている。「純喫茶を貸し切っているような贅沢(ぜいたく)気分を心ゆくまで味わっていただければ」と広報担当の秋本涼音さんは声を弾ませながら言う。

豪勢なプリンア・ラ・モードは、日本が豊かになっていく象徴の一つだったのかもしれない