銀幕の大スター、永遠の歌姫も笑顔でお出迎え⁉︎

 好きなスターを、より身近に感じたい。ごく当たり前のファン心理だ。「当時は、それがプロマイドぐらいしかなかったのです」。浅草に店があるのにも意味があった。「歓楽街の六区を中心に、昔はたくさんの映画館がありました。映画を見た後にプロマイドを購入しにくるというのが、ひとつの流れだったのです」

半地下に降りると、白黒の作品がきちんとファイルされ、探しやすくなっている棚が設置されている 

 創業101年が経ったマルベル堂は、基本的に昔と同じことを続けてきたし、その姿勢は今でも変わらない。「不思議なものですよね。これだけ長い間皆さんが支持してくださってるってことが」。感慨深げに武田さんは続ける。「プロマイドに携わってくると、昭和が懐古されているんだなあと思う部分も多々あります」。店内を見渡すと、昭和という時代が折り重なって積もっている感じだ。「かつて面白い文化があって、それが世の中を席巻していた。それが令和の今も残っている。その文化を継承しているつもりです」

店に来店したスターの生のサインも多数。ファンにとってはたまらない

 プロマイド人気は確かに健在なのだ。「スターあってのことですけどね。マルベル堂として、これは残していかなければいけないという強い気持ちがありますね」。武田さんは真っ直ぐに前を向いていた。デジタル社会は、言い換えれば実物を持たない時代とも言える。写真も含めて多くのものはデータ化されスマートフォンの中に収められている。「でも、だからこそ、あえて実際に手に取ることができるモノを持つ、コレクションをする楽しみってあると思うんです」。好きなアイドルやスターのプロマイドを一枚、手帳に挟んだり、カバンに入れて学校に通った。定期入れにしのばせている女子もいた。そんなことをもう一度思い出してみるのも楽しいものである。細い入り口には、懐かしいプロマイドが並び、年配の女性も足を止めて眺めたり、買い求めたりする姿が見受けられた

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