銀幕の大スター、永遠の歌姫も笑顔でお出迎え⁉︎

 業界とマルベル堂の関係は長く深い。武田さんが説明する。「元々は、創業者が趣味で集めていた外国映画のスチール写真や俳優の写真を販売したのが始まりです」。やがて、日本でも映画が盛んに上映されるようになり、東映、日活、松竹などの映画会社から、三船敏郎、(八代目)市川雷蔵、赤木圭一郎、石原裕次郎などのスターが生まれる。音楽界でも、同時進行的に昭和歌謡が人々の心の中に溶け込んでいく。フランク永井や三波春夫、世に言う三人娘(美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ)らが人気を博した。

2階へ上がる階段にも案内やキャッチコピーなどがビッシリ

 1960年代後半にはグループサウンズが一大ブームを巻き起こすことになる。70年代には、天地真理、南沙織などが人気となり、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の新御三家、山口百恵、桜田淳子、森昌子の「花の中三トリオ」、キャンディーズ、ピンク・レディーと続いた。80年代に入ると松田聖子や中森明菜、たのきんトリオ(田原俊彦、野村義男、近藤真彦)などがけん引した。そのほとんど全てがマルベル堂でプロマイド化された。映画界、芸能界の歴史を物語る文化遺産と言っても過言ではない。ちなみに、日本で最初に撮られたのは、女優の栗島すみ子だった。

スターやスポーツ選手以外にもゆるキャラなどのプロマイドも

 スターにとって、マルベル堂でプロマイドを撮ることがステータスとなり、売れ行きが人気のバロメーターになっていた。多くのファンがこぞって求めた理由を武田さんはこう分析する。 「今でこそ、映画やコンサートなどに行けば、さまざまなグッズを買うことができますが、銀幕、またはブラウン管の向こうにいる『スター』を身近に感じることができる商品はそれほど多くありませんでした。それらを所有することで、ファンはスターに近づこうとします」

在庫は、8万枚以上。一人の歌手や俳優に対しても何種類もあり、例えば、美空ひばりに至っては1500種類もある

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