古さと新しさが融合 社交場でハレの日に思い出を

東京會舘 本舘(東京・丸の内)

retroism〜article207〜

 「社交場」という言葉には、どこか懐かしい響きがある。明治維新をきっかけに西洋化へと様相を変えた日本の香りをまとっているからだ。

 当時の社交場といえば、鹿鳴館やダンスホールなどが思い浮かぶ。今はホテルのレストランや宴会場などが、それに該当するのかもしれないが、何か特別な場所という感覚がつきまとうのだ。


(上)らせん階段を下から見上げる。真上にはシャンデリア。吸い込まれそうだ(下)初代本舘には3灯あった巨大シャンデリア。そのうちの一つが、今も来客を迎える

 1922(大正11)年11月1日、東京會舘は、「世界に誇る施設ながら、誰もが利用できる大勢の人々が集う社交場」を目指して開場した。建物は2回にわたって改築され、現在は2019年にかんした「NEWCLASSIC.」(新しくて伝統的)をコンセプトとした日本を代表する社交場になっている。マーケティング戦略部の南條愛美(まなみ)さんが、誇らしげな視線を向ける。「日本の経済・文化の中心地としてますます発展していくために、人々の交流の舞台となるような国際的な社交の場を作りたいという人々の思いが重なって、民間初の社交場としてオープンしたのです」

(上)正面玄関の車寄せの天井には、初代本舘の庇(ひさし)のデザインをモチーフにしたアイアンワークが
あしらわれている
(下)東京會舘のシンボル的な存在のぼんぼり形の照明が至る所で上品な光を放っている

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