厚さ3㌢!ド迫力ハムカツとメガ盛り料理に驚嘆

 「その時、店を継ぐと言ってくれたんだよ。前から『いずれは継承するんだろう』と漠然と考えていたらしいんだ。料理も好きなんだろうね。カレーとか、ポタージュ、タルタルから何から、もう全部できるから」。河野さんは継いでほしいとは一言も言わなかったが、智昭さんの方から手伝うと言って来た。「うれしかったよ。へへへ」と河野さんは照れたように笑った。後継者がいるからといって安心はできない。どんな商売でも安定経営を維持することが難しいことに変わりはない。「お客さんの需要と経営的なバランスは永遠の課題ですね。貴重と言っていただけるのは有り難いので、この路線でやれるところまでやるつもりです」と河野さんは力強く宣言してくれた。オープンは1969(昭和44)年。JR鶴見駅からすぐのガード下に店はある。電車の音が店のBGMだ。新幹線らしき走行音も聞こえた

 最後に厨房を見せてもらった。「注文を受けてから、一つずつ作る」という至極当たり前の作業が始まる。長く続く料理屋は大抵がそうである。しかし改めてその動きを見せられると、セントラルキッチン(飲食店や病院などの食事をまとめて作り提供する事業)などなかった頃、みんなそうやって、心を込めて一皿一皿客に提供してくれていたことを、ヒシヒシと思い起こさせる。河野さん愛用のゲタ。河野さんにとって、もっとも作業がしやすい履き物に違いない

 断言する。こんなにボリューミーでジューシーなハムカツは、他ではお目にかかれない。それこそが、河野さんの研さんと努力のたまものである。

れすとらん ばーく
横浜市鶴見区豊岡町1−17J R鶴見線高架下
📞045・571・5845
営業時間:午前11時〜午後2時(月〜土曜)、午後5〜8時(月〜金曜、LO同7時45分)
定休日:日曜

文・今村博幸 撮影・JUN