厚さ3㌢!ド迫力ハムカツとメガ盛り料理に驚嘆

 「初めはハンバーグ専門でやってましたが、全然お客さんが入らなくて、だんだんメニューを増やして今のメニューになりました」という主人の河野克夫(かわのよしお)さんは、かつて渋谷センター街にあった渋谷食堂などで修行を積み、この店を開いた。鶴見は、昔から周辺の三つの大学に通う学生と工場で働く人の多い街である。大食感や腹ペコの彼らを満足させる料理はご飯も含めてどれも大盛りだ。店内には、有名人の色紙がたくさん。奥には、座敷も用意されている

 テーブルに運ばれて来た瞬間に目を疑うのは、どでかいハムカツ。厚さが3㌢はあろうかという代物だ。上等なハムは、肉がぎっしりと詰まっているので、かみごたえも心地よい。衣はきめの細かいパン粉を使い、かかっているデミグラスソースには、香辛料を加えて、他のソースとは差別化を図っている。ハムにもいろいろあるが、一番高いロースを使うのがこ同店のだわりだ。ハムのうまさを100%引き出している。「ハムカツは大赤字なんだよ。だって、使ってるのが極上のロースハムだからね。うちのは原価がかかっているから」鳥の唐揚げ。人気メニューの一つ。河野さん自信作の一つだ

 そう言われて、かみ締めると、「ハムカツってこんなに旨いものだったのか」と目からウロコが落ちた気がした。昭和の時代からあったはずだが、こんなにインパクトのある一品は、これまでお目にかかったことはない。「テレビで、厚切りハムカツって紹介されているのを見たんだよ。『えっ? これが厚切り?』と思っちゃってさ」使い込まれたフライパンなどの調理道具からも、歴史と料理のおいしさが伝わってくる