カレーの店 タカサゴ(東京・竹橋)
retroism〜article31〜
この世でそう多くは存在しない、真実の一つが、老舗の洋食屋「カレーの店 タカサゴ」(以下タカサゴ)にはある。
「本質は細部に宿る」というそれだ。見事なほど細部にこだわり、老舗らしく、一ミリたりとも手を抜かずに料理を作っている。
あらゆる場所でカレーを食べた人にとっても、ここのカレーは初めての味になる。オーソドックスだが個性が光る味だ。カレーがポットに別盛りなのもシビれる
例えば、名物ヒラメのフライ。サクッとした衣を噛(か)み切るや否や、白身の淡白だが深いうまみが口の中に充満する。白身魚のフライは基本うまいが、ヒラメとくるところがなんとも老舗らしい。思えば昭和にあった洋食屋の魚フライはヒラメが定番だった。問題は、添えてあるタルタルソースだ。まともな洋食屋なら、自家製を使うのは当然で、もちろんタカサゴも同じ。他と違うのは、入れるピクルスまでが自家製なのだ。その効果は、素人の我々には、はっきりとはわからないが、確実に個性的なうまさをひきだしていることだけはよくわかる。