楽しかった小学校を再現 給食や抜き打ちテストも

 「私が希望に満ちあふれていた小学校時代を思い出せるよう、細部にこだわって作ったのが『6年4組』でした」。檜谷さんは回想する。

教室の黒板には、落書きなどがされている。授業の前には消さないと、先生にしかられるぞ! 

 店内ではスタッフは先生で、客は生徒という設定になっている。お通しがわりの駄菓子食べ放題が、この店のウリの一つだ。放課後に外を駆け回り、家に帰って母親におやつをねだって、小腹を満たした。しかし残念なことに、食べ放題ではなかったので、空腹が満たされぬまま夕食を待つしかなかった。それに比べて、6年4組の客は大多数が大人なので、いわゆる「大人買い」ならぬ「大人食い」ができてしまう。それだけでも、なんだか幸せな気持ちにさせてくれるのだ。

お通しがわりの駄菓子は食べ放題。客が大人だから懐かしいで済むが、小学生が聞いたら狂喜乱舞するかもしれない、そんな子供たちの満面の笑顔が浮かぶようだ

 取材した渋谷分校には、チョークで落書きがされた黒板、ランドセル、職員室や校長室が並び、音楽室にはそれらしくバッハなどの肖像画がかけてある。店に入った客たちは、「本当に学校だ!」と声を上げるという。全ての部屋で飲み物や食事が供されるが、それらを食べるのは、木製天板のスチール学習机と椅子だ。この机や椅子は実際に学校で使われていたもので、あちこちに傷跡やさびが残っている。この椅子に座ると、学校で給食を食べたあの頃が、否が応でも思い出される。


ランドセルは、手荒く扱われるので、端の方が、白くはげてしまっている。小学生なりの年月の重みだ

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