昭和な釣り堀は変わらないのが魅力 

 釣り堀「武蔵野園」の3代目青木大輔さんは少しだけ寂しそうに目を伏せた。生まれた時から釣り堀で育った青木さんには、歯がゆい思いもあるに違いない。「でもね」と青木さんは続ける。「町会に育成委員会があるんですが、夏休みに小学生を集めて、年に2〜3回ぐらい釣り大会を開いてくれます。多いと150人とか200人ぐらい集まる時もあります。子供たちは本当に楽しそうですよ。付き添いの大人の方が楽しそうな時もありますけどね。あとは、週末なんかは、家族連れも来てくれますよ」

周囲は自然に覆われているため、鳥や昆虫もたくさんやってくる

 釣り堀自体は、創業からほぼ変わっていない。先代までは、大きなポンド(池)が三つあった。ヘラブナとコイ、金魚に分かれていたが、今はその池のひとつに、蓋(ふた)をかぶせて周囲に透明のビニールを張った食事処になっている。「できれば、あまり変えたくないんですよ。昔あったいいものを、子供たちにも知ってほしいから」。ビニールを張った食事処は、手作り感満載だ。「あまり近代的にはしたくないんです。だからあえて手作り感のある、昭和を残した形でやっています。モダンだったり綺麗(きれい)にするのではなく、素朴な感じがうちの味だと思ってますからね。あとは、これを世の中がどう判断するかです」 。そして今後、これを良しとするのか否かは、これからの子供たちが決めることである。このレストラン、地元の人にも評判がいい。犬の散歩の途中による人や、草野球の帰りに、ビールを飲んで帰るお父さんたちも少なくない。「3年ほど前までは、エアコンもなし、ストーブは薪(まき)ストーブでした。そのほうが風情があっていいと思ってました」

「武蔵野園フードランキング」で一番人気を獲得したオムライ ス800円は、昔ながらの味。思わずガツガツ食べてしまった

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