登録有形文化財の木造建築で絶品の天丼にうなる

 試食では、今まで食べた天丼の中で、ベストだと感じたことを、直接主人にぶつけてみた。「どうしてこんなにうまいんですかね?」。「なかなか答えにくい質問ですね」と少し照れた表情を見せた。「まず素材ですね。おいしい素材を選んでくることが大切です。そして、タレも素材の味を壊さないように程々の濃さを目指しています。

天ぷらを揚げるご主人。アナゴがあがったようだ

 フランス料理のコースのように、食べ終わった時に満足感がある。エビのプリプリ感、魚の柔らかさ、ハスのシャキシャキ感、口直しにミョウガも入っています。全部一通り、飽きずに食べられるように考えています。さらに、一つのストーリー仕立てになるように気を配ります。それを丼一杯で完結するのがおいしい天丼だと、僕は考えています」。うそ偽りなく商売を続けてきたと主人は言う。

 江戸の遊郭・吉原の出入り口だった「吉原大門」近くにひっそりとたたずむ老舗の天ぷら屋は、創業128年の歴史と伝統の味をいまに伝えている。

どてのいせや
東京都台東区日本堤1-9-2
📞:03-3872-4886
営業時間:午前11時〜午後2時半
定休日:水曜、第4火曜日
文・今村博幸 撮影・JUN
 


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