レトロ自販機が107台「シュポ」と栓抜き体験も

 機械いじりは好きな方だし、みんなに喜んでもらえるという気持ちがある。100台以上あるので、毎日どれかが壊れる。直したと思ったら、次はこちらというふうにしょっちゅう故障する。だから、修理はほぼ毎日だと笑う。「直った時のうれしさはひとしおです。元々動かなかったのが動き出す満足感、結構楽しんでやってますよ。それに、そもそもメーカーが対応してないので自分でやるしかないんです」「18歳未満購入不可」の文字に、思わず妄想を膨らましたが、実際は辛いカレーだった

 調理機能付きの自販機は、1970年代から多く出回るようになった。「気軽に食べ物を買う場所がありませんでした。そこに温かい食べ物を売る自動機が入ってきたのです」。コンビニエンスストアが、増え始めたのは、80年代に入ってから。その間の時間を埋めるように、調理機能付き自販機は活躍した。印象だけで言えば、醸し出しているの、間違いなく昭和の香りだ。思わず見落としてしまいそうな裏の通路にも自販機がびっしり。天井灯もなく自販機の明かりだけが頼り。独自の雰囲気がある 

 齊藤さんは言う。「昭和と言う時代が好きだし、当時あったモノが好きなんです。年代ごとに、新しいものが次々と生まれたエキサイティングな時代だった。食べ物も含めて、僕たち子供の頃のモノって、やっぱりしっくりくるんですよね。自販機を見ていると、そこに戻れる感じがすごくあります。多くの人が喜んでくれるのもうれしい。だからこそ残したいと思えるのでしょうね」

レトロなアーケードゲームも設置。目ざ
とく見つけた青年が遊びに興じていた

 今の時代、コンビニやファストフード店に行けば、カップ麺やハンバーガーが食べられる。また、おいしいラーメン屋やそば・うどん屋も数多く存在する。しかし、ここでしか味わえない昭和を思い出させる食べ物や瓶の栓抜きなどの貴重な体験ができるのが最大の魅力だろう。それが、多くのファンの心をつかんで離さない理由なのかもしれない。

ちゅうこたいやいちば さがみはらてん
相模原市南区下溝2661-1
📞: 042-714-5333
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:水曜日

文・今村博幸 撮影・JUN

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