昔ながらの銭湯を再生 「記憶をつなぐカフェ」に

レボン快哉湯(東京・入谷)

retroism〜article178〜

 昔ながらの銭湯がレトロモダンなカフェに!

 昭和の時代には一つの街に必ず何軒かあった銭湯。象徴は宮造りの外観だった。立派なたたずまいの内部では、温かい湯が体の汚れと疲れを気持ちよく流してくれた。

年季の入った風呂場の天井や富士山のペンキ絵がしっかりと残っている店内

 東京・入谷にあった「快哉湯」も、90年を超える歳月、人々の体と心を癒やしてきた。しかし、最後のオーナーが2016(平成28)年に引退し、銭湯そのものは、歴史に幕を下ろした。ただ、オーナーは、「この建物を未来に残したい」と強く思ったのである。NPO法人「たいとう歴史都市研究会」に手紙を送り、思いを伝え、快哉湯の再活用プロジェクトへとつながった。中央には柱時計。ガラスの天窓も。全てが懐かしい

 銭湯の常連客だった建築設計会社の社員が参加し、リノベーションが始まった。木札の靴箱、富士山のペンキ絵、番台、格天井など、極力原型をとどめる形で作業は続けられ、19年にオフィスとして再生した。元オーナーの願いはかなったのである。 

マリリン・モンローのポスターも郷愁を誘う

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする