昔ながらの銭湯を再生 「記憶をつなぐカフェ」に

 後にカフェとして再生した「レボン快哉湯」を運営する株式会社べステイトのスタッフが、鶯谷でビジネスホテルをオープンするため、付近をあいさつ回りをしていたとき、偶然見つけて立ち寄ったのが快哉湯だった。そこで、既に洗い場と湯舟をオフィスとして活用していた建築設計会社のスタッフに、銭湯の歴史や保存・再生に携わった人たちの熱い思いを聞くことになる。コーヒー豆の焙煎(ばいせん)機。未だ現役。週に1度新鮮な豆が焼かれる。機械は35年モノ。知り合いの珈琲(コーヒー)屋から譲り受けた

 残された古い銭湯の建物を未来に残す意義は計り知れない。ベステイトの面々は、快哉湯を多くの人でにぎわう場所へともう一度戻したいと考えた。もともとホテル業を生業にしていたので、その経験をフルに活かして、ソフト面、サービス面で協力ができないか話し合いが重ねられた。

昔の標語が記された看板。カゴを使う人は、財布などは番台に預けていた

 誰もが気楽に利用できるカフェという形で快哉湯の再生を提案する。これまでイベントスペースとしていた脱衣所側のスペースをさらに有効活用できないかなど、さまざまな意見が出されたという。そこで、「『カフェならば、大人から子供まで、銭湯時代と同じように老若男女が使えるよね』ということになったようです」。マネジャーの多田(おおた)真理さんがハキハキとした口調で説明した。札が鍵になっている風呂屋ならではの下駄箱と入り口。透かしガラスでちょっとおしゃれな雰囲気を醸し出している

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