新橋と昭和をこよなく愛する元会社員の夢の空間

昭和ブックカフェ(東京・新橋)

retroism〜article187〜

 オヤジの聖地・新橋。

 日夜、酒に酔ったオヤジたちがくだをまき、ストレスを発散させている光景が見られる。中でもテレビの街頭インタビューなどでおなじみの駅西口前S L広場に建つニュー新橋ビルは、街の代表格と言えるだろう。再開発の予定もある。そもそも「新橋に最新のタワービルは似合わない」と思うのは筆者だけだろうか?

入り口すぐの場所には、懐かしい雑誌などが雑然と差し込まれている

 そんな街の顔ともいうべき同ビルの3階に2年半前にオープンしたのが「昭和ブックカフェ」だ。代表の鈴木清一さんが、いたずらっぽい目をこちらに向けた。「昭和がテーマなので、オヤジがたくさんいる場所でやれたらいいなと思っていて、たまたま空きがあったので借りました」店名の看板がでかいので、すぐにわかる。壁一面に貼られたポスターに目が泳ぐ

 鈴木さんはサラリーマン時代、退職したら自分の会社を作りたいと思っていた。「20年前から、具体的な業務内容は決めていませんでしたが、『株式会社 新橋大好き』(現昭和ブックカフェの運営会社)」という社名だけは決めていました」。

店の前には、売り物の古本が椅子の上に雑然と置かれていた