昔ながらの銭湯を再生 「記憶をつなぐカフェ」に

 そこからは話は膨らんでいくことになる。「極力内装は変えない方向で改装が行われました。変更したのは、脱衣場にキッチンを設置したのと脱衣ロッカーを撤去こと。女湯の方には本棚が作られたぐらいです。あとはほぼ手を入れてません。また、一部をスペースレンタルや展示スペースとして活用しています」

奥にあるオフィスの一番奥には、小さい湯船がちょこんと鎮座

 いくつもの縁(えにし)が繋がり誕生したレボン快哉湯は、「記憶をつなぐカフェ」というコンセプトのもと、再出発を果たすことになった。レボン快哉湯という屋号は「Rebon(再生)+快哉湯」という意味でネーミングされた。「古いものと新しいものの融合。建築に関してはそういうことになると思います」と多田さんは力強くうなずいた。

だいぶペンキがはがれてしまった銭湯のペンキ絵。こんなところも「味」である

 「記憶をつなぐというのがコンセプトなので、歴史あるものを大事にしながら新しい未来へと向かっていく。古いコーヒー豆の焙煎機も開店当時、知り合いから譲り受けたものです」。多田さんは一息ついた後、こう続けた。「新しいものだけがいいとは限らないと思います。昔の方が良かったことだってあります。古いものも大事にして、新しいことを生み出したい。すると古い記憶と新しい記憶が繋がっていくんです」                  

         番台も昔のまま。中は掘りごたつのようになっていて座るのも楽だ

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