レトロ建築探訪其ノ参

塔の家(外苑前)

建築家、東孝光の初期の代表的作品。都選定歴史的建造物に指定された5階建て狭小住宅。
(上から順に)①
塔の家の全景。コンクリートと緑のコントラストも全く不自然さはないのが不思議だ②打ち放しのコンクリートに覆われたエントランス。所々に見える木の窓枠などが気持ちをほっとさせてくれる③玄関までは5段の階段があり、その横のスペースには、小型イギリス車の駐車スペースになっている④打ち放しの極致とも言えるこちらの壁は、間近で見るとその魅力に引き込まれる。美しさと共に、温かさもあることに気がつくのだ

ビラ・モデルナ(渋谷)

デザイナーズ・マンションの先駆け。ル・コルビュジェの弟子だった板倉準三のDNAを受け継いだ板倉建築研究所が手がけた。
(上から順に)①正面から見ても凸凹になった外観は、どこから見ても立体的で、気持ちがたかぶる②これほど広いサンクンガーデン(一般の道路よりも低い位置に造られた庭園)も今ではめっきり減った。トルコブルーの階段も深みのある美しさだ③打ち放しの外壁には、むき出しのボルトが飛び出したまま残してある。光が当たると、影が模様となって、見る者の目を楽しませてくれる。独創的なデザインだ④「ビラ・モデルナ」とは、「現代的な別荘」という意味。フランスの海辺に昔からある別荘が新しくなったようなイメージだ