100年前のモダン建築 同潤会アパートに見る工夫

白根記念渋谷郷土博物館・文学館(東京・渋谷)

retroism〜article191〜 

 1923(大正12)年の関東大震災からの復興のために建てられた「同潤会アパート」の建築部品や写真などを紹介した特別展「ー関東大震災から100年ー同潤會アパートと澁谷」が東京・渋谷にある「白根記念渋谷郷土博物館・文学館」で開催されている。3月26日まで。

当時のキッチン(台所)周りを再現したもの。
電気や水道、ガスといったインフラも整備され
  ていた。窓からは明るい日差しが差し込んでいた 

 関東大震災の翌年に、復興を目的として内務省により財団法人同潤会が設立された。当初は、被災者のための仮設・木造住宅を造っていたが、その後、鉄筋コンクリート(RC)造のアパートへと移行した。同潤会アパートは、公共住宅としては、日本最初期のRC造でもあった。スラム化していた下町では、衛生的で近代的なアパートを建設。渋谷などの山の手には、それまで見られなかった高学歴高収入のサラリーマン層に合わせた最新鋭の設備を備えた近代的で文化的な要素をふんだんに盛り込んだ住宅を供給した。画一的な集合住宅という概念を排除して、多様な間取りや構造も含めたデザインなどを取り入れたのである。

同潤会アパートは、洋風も意識していた。2階へ続
 
く階段柱も、どことなく異国の香りを漂わせている 

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