東京市電が走る新宿の街並み 写真と資料で顧みる

路面電車と新宿風景(東京・四谷三栄町)

retroism〜article135〜

 寺内町や門前町における神社仏閣、城下町なら城というように、それがあるかないかで、街の風景はガラリと変わる。かつて東京を縦横無尽に走っていた路面電車も同じだ。大都会・新宿という街と絡めた車両の写真からは当時の熱が伝わってくる。そんな所蔵資料展が東京・四谷三栄町にある「新宿歴史博物館」で開催中だ。4月3日まで。

靖国通りにあった、昭和20年代の新宿駅前停留所。見上
げると電車に電気を供給する電線が張り巡らされていた

 新宿が甲州街道の宿場町として発展し始めたのは江戸時代からと古い。資料展は三つの章に分かれていて、第1章は「東京の路面電車の歴史」と題し、馬車鉄道から始まった黎明(れいめい)期を、1911(明治44)年に東京市が路面電車を経営していた民間会社を買収、東京市電が誕生するまでとし、さらに黄金期、激動期、暗黒期と続く。やがて、車社会となり地下鉄が整備された昭和40年代までの終焉(しゅうえん)期の五つに分けて、写真と資料でわかりやすく解説している。

行き先と停留所を知らせる側面の案内板

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