今も生き続けるレコードはアートであり文化遺産

コラム其ノ肆(特別編)

retroism〜article64〜

 レコードは総合芸術だ。少なくとも複合芸術であり文化である。

 言うまでもなく、レコード盤には、音楽という不滅の芸術が刻まれている。ジャケット自体は絵画そのものであり、芸術写真またはグラフィックアートと言い直してもいい。1970年代から80年代前半にかけて、レコード屋で使われていたショッピングバッグは若者カルチャーのおしゃれなアイテムだった。我々は、ディスクユニオンやタワーレコードあるいはWAVE、CISCOのクールにデザインされたビニール袋に、小物を入れて小脇に挟んで歩いた。それがカッコよかったからだ。

「ART C SOUNDTRACK」の壁には、多くのレコードジャケットが貼られている

 東京・雑司が谷にある「ARTS C SOUNDTRACK」は、ジャケットをあたかも一枚の絵画のように扱う。店のメイン「ギャラリー」と銘打たれた棚のインデックスプレートにはアーティスト名やアルバム名はない。ジャケットに描かれる絵柄で分類してあるのだ。ジャケットが幾何学模様で構成されていれば「Design」の場所に、動物が登場すれば「Animal」のスペースに、「Fruits」はパインなどの果物が描かれるといった具合だ。

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