聖子と明菜、キョンキョンが残したもの

コラム其ノ参(特別編)

retroism〜article63〜

 あの時君は若かった。

 松田聖子をはじめ中森明菜、小泉今日子、河合奈保子、早見優、堀ちえみ、柏原芳恵などなど。日本の芸能史において、アイドル全盛期といえるのは1980年代だと断言したい。

 80年代のアイドルといえば、真っ先に思い浮かぶのが松田聖子だ。奇(く)しくも、山口百恵が引退した年の80年4月に「裸足の季節」でデビューした。当時所属していたサンミュージックとCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)は中山圭子という新人を大々的に売り出す予定だった。ところが、デビュー曲のCMのタイアップがとん挫。急きょ、二番手だった松田聖子のデビューが繰り上がったという。「裸足の季節」の最高位は28位、売り上げは28万枚(オリコン調べ)というスマッシュヒットを記録したが、ブレークしたのは2枚目のシングル「青い珊瑚礁」がきっかけだ。キュートなルックス、抜群の歌唱力、フリフリの衣装に身を包み、男子の心をわしづかみにして、以後「絶対王者」としてアイドルの王道を突き進んでいく。

 特にトレードマークともいえる「聖子ちゃんカット」は、可愛いコもそうでないコも、さらにはヤンキーまで猫も杓子(しゃくし)もこぞってまねをして一大ブームを巻き起こした。巷には「ブス隠し」と揶揄(やゆ)される聖子ちゃんカットの女子があふれかえっていた時代だった。後にデビューした中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代、堀ちえみ、石川秀美などの「花の82年組」もデビュー当時はこの髪形をしていた。ちなみに令和となった現在、テレビドラマ「今日から俺は‼︎」(日本テレビ系)などの影響から、20歳前後の若者を中心に流行の兆しを見せているという。松田聖子恐るべしだ。

松田聖子が歌う素晴らしい楽曲は令和の今も色あせない

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