レコードを次世代に イベントではオネエトークも

中古レコードのタチバナ(横浜・青葉台)

retroism〜article24〜

 38インチフルレンジ2発が縦に並ぶ巨大なタンノイのスピーカーが、レジ奥に設置されている。音の解像力と分離のよさは言うに及ばず、圧倒的な音の生々しさに、ずっとその前に立ち続けていたいという思いに駆られる。そのスピーカーから大音量で音楽が流れる中、レコード屋にあるまじき光景が展開されるのは毎週水曜日の夜だ。店内が暗くなり、ミラーボールが回る中、大量のレコードが並ぶ棚の横で、酒が酌み交わされるという、およそレコード屋とは思えない、往年のディスコをほうふつとさせるような光景まで展開されるのだ。

店頭に並ぶレコードは、約3万点。倉庫にはさらに数えきれないほどの在庫がある

  そう言えば、この「レコード屋」という言葉、「パーマ屋」と同じぐらい死語だ。しかし、ここ「中古レコード タチバナ」は、CDもある程度置いてあるが、LP、シングル盤、蓄音機、SP盤を中心にオールジャンルでそろえる、ズッポリ、レコード屋なのである。それは、店主の横山功さんのレコードに対する強い思いがあるからにほかならない。「店畳んじゃおうかなって思ったことは何回もありますけど、結局、自分の中に残っているのはレコードしかなかったんです。親の店の倉庫で小さい頃からレコード触ってるし、好きだったから、詳しくなっちゃう。それが勉強といえば勉強だけど、自分の中に自然にあるのがレコードなんですよね」

38インチ2発に、エンクロージャー(筐体)はファミリーキング。その音を聴いてと、脳内まで響く感じが気持ちいい。ターンテーブルはケンウッドだ

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