URまちとくらしのミュージアム(東京・赤羽)
retroism〜article234〜
雨降って地固まるとはこのことだろう。
1923(大正12)年の関東大震災は、東京、横浜に甚大な被害をもたらした。住む場所を失った多くの人のために、財団法人同潤会が発足し、青山、代官山、三田、江戸川など15カ所に2800戸の鉄筋コンクリートのアパートメントが建設された。空洞化した大都市がこれから安心安全に再生を始めるという姿勢が感じられる象徴的存在でもあった。木造の家屋が並んでいた都心部に、災害に強い、鉄筋コンクリートの住宅が出現したのである。日本建築史に突如現れた新しい現代の風景であり、未来の都市を予見させる景色だったに違いない。
(上)スターハウス。国の登録有形文化財に指定されている。
ミュージアム開館の計画は、これらの建物を残すことか
ら始まった(下)秋の日は釣瓶落とし。主婦やわりと早い
時間から帰宅した人たちによって、家々の明かりがつけられていく
昭和初期から中期にかけて建設された往年の4団地(同潤会代官山アパートメント、蓮根団地、晴海高層アパート、多摩平団地テラスハウス)が東京・赤羽にある「URまちとくらしのミュージアム内に復元されている。