映画衣装デザイナー 先駆者「柳生悦子の仕事」展

 「大当たり三色娘」の衣装をめぐり、「映画では縦と横とののっぴきならない関連によって、正確に割り出されたものこそ成功した意匠といわれるものであろう。どんなに素晴らしいデザインの1枚の衣裳であろうと、全編の調和を考えていないものはグッド・デザインとはいえない」(映画技術」第72号、57年)という柳生氏の言葉は、手探りで映画全体と調和する「グッド・デザイン」とは何かを模索しているのがよくわかる。

「衣裳(いしょう)は語る―映画衣裳デザイナー・柳生悦子の仕事」展の会場の様子

 柳生氏は、生前に発表したデザイン画3000点を同館に寄贈。今回の企画展では時間を経ても色彩は全く衰えないデザイン画を中心に構成されている。衣装デザイン画約400点を閲覧できるデジタル展示も行われ、同氏の新たな魅力を引き出している。この機会に、衣装デザイナーにおける日本の先駆者・柳生悦子氏の世界に浸ってみるのはいかがだろうか。

 東京都世田谷区南烏山1−10−10。休館日:月、年末年始(12月29日〜1月3日)、1月8日、2月12日は開館(翌日休館)。開館時間 :午前10時~午後6時 (入館は閉館30分前まで):一般200円、高校・大学生150円、65歳以上1100円、小・中学生以下100円。問い合わせは03・5374・9111。

【レトロイズム編集部】




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