「女性の服装」から学ぶ昭和の世相と戦中戦後史

昭和館(東京・九段下)

retroism〜article195〜

 ファッションは時代を反映し、社会と共に移り変わって来た。

 悠久の日本史を振り返っても、時代によって着るものが変わっていくのは、当然と言えば当然だ。とりわけ昭和の世相と服装は比較的短いスパンで目まぐるしく変わった。そんな昭和の社会変化とともに移り変わっていった女性の服装について紹介する特別企画展「時代をまとう女性たち」が東京・九段下の昭和館で開催されている。5月7日まで。


特別企画展「時代をまとう女性たち」のチラシ

 同展は、プロローグとして「洋装文化の受容」、以下①戦時下の女性と服装②洋装文化の流入③大衆化の時代へーーの4部構成となっている。

 プロローグ「洋装文化の受容」は、明治維新から昭和初期までをなぞる。開国以来、洋装は上流階級のものであり、多くの国民は和服を着ていた。大正期になると職業婦人が登場する。OL(オフィスレディ)の先駆けだ。彼女たちの身なりは、動きやすい洋装へと変化していった。32(昭和7)年、呉服の大店(おおだな)であった白木屋デパートの火事などを契機に、女性の洋装の需要はいっそう高まる。家庭では和装、職場では洋装と分ける女性も多かった。大正末期から昭和初期には、婦人雑誌や広告などで、モダンガールと呼ばれる洋装を身にまとった女性が取り上げられることが多くなり、洋装に対する注目はますます高まっていった。


   山形在住の女性が東京で生地を買い求め
     て、本を見ながら自力で縫い上げたもの。
  =1950(昭和25年)年     

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