古本、古着、中古カメラ屋を巡るひそかな楽しみ

 宝探しと言えば、古着もそれに近いものがある。男性向けファッション雑誌「POPEYE」が創刊されたのが1976年6月だ。70年代のアメリカ西海岸のカルチャーを日本に初めて紹介したことでも知られている。前年には東京・上野のアメ横にSHIPSが誕生し、翌年には原宿にBEAMSも開業した。これを機に若者のファッションスタイルは「アメカジ」にシフトしていった。

 アメカジといえば外せないのがジーンズだろう。1850年にリーバイ・ストラウスが金脈探しのための作業用ズボンとして作ったのが始まりだ。特に「501」は現在のジーンズの原点ともいうべき商品である。これまで幾度となく改良を重ね進化していった。ヴィンテージと呼ばれるモデルは、うかつに手が出せない価格にまで高騰している。中でも1942〜46年に製造された「大戦モデル」、40年代後半から67年頃までに生産された「501XX」は古着市場でも人気があり、状態の良いものは数十万円という値段がついている。

 ジーンズと並ぶ定番アイテムとなっているのがスウェットシャツだ。王道はアメリカの老舗ブランド「チャンピオン」である。年代によってタグが違い「初期タグ」「単色タグ」「トリコロールタグ」などと呼ばれている。当然、古いほうが価値がありアメリカ製はより高価となる。

 近年高騰しているスニーカーだが、アメカジの代表的なものに「コンバース」が挙げられる。90年代後半まではアメリカで生産されており、「Made in USA」の表記がその証しとなる。当然、古着市場でも希少価値が高い。リーバイス501ビッグE。赤いタブの「E」が特徴。デッドストックだ

 最近は足が遠のいているが、10年くらい前までは、毎週のように原宿、高円寺、下北沢で古着屋巡りをしていた。時には町田や柏などにも遠征した。お目当ては「Mede in USA」の服や靴だった。状態も良く値段も安い「掘り出し物」が見つかったときには、快哉を叫んだものだった。 

 ここまでアメリカものを中心に書いてきたが、近年の「レトロブーム」を背景にヨーロッパの60〜70年代のワンピースやスカートなどが脚光を浴びている。これらの古着は比較的お手頃価格でゲットできるので人気だ。