古本、古着、中古カメラ屋を巡るひそかな楽しみ

 最後に中古(フィルム)カメラにも触れたい。デジタルカメラの台頭により、需要が少なくなったように思われるが、意外にも若者を中心にブームが再燃しているという。筆者もライカのレンジファインダーやオールドレンズを所有しているが、手に取ったときの質感、実際に操作している感覚などは最新のカメラとは比べ物にならないほど心地よい。特にライカのオールドレンズで撮る写真はなんともいえない味がある。

 これらの個体は新品では手に入らないため、必然的に中古カメラ店をパトロールすることになる。古いものだと50〜70年前の製品であるため、傷や当たり(凹み)がないものは少なく、奇麗なものは当然値が張る。レンズに至っては、カビやクモリがあるものが多く、購入する際には注意が必要だ。ライカ以外にも、カールツァイス、ニコンやキヤノンなどの国産オールドレンズもオススメ。昔のレンズは今のと比べて、描写が美しく、作りもしっかりしており、しかも安価(ライカは除く)というのが最大の魅力である。ライカM3の軍艦部。「Leica」の文字が美しい。傷も少なく奇麗だ

 デジタル主流の昨今だが、従来のデジタル一眼レフに代わって、ミラーレス一眼レフが主役の座を奪う勢いだ。ミラーレスは性能もさることながら、アダプターを介せばオールドレンズが使えることがうれしい。さらには、マニュアルフォーカスのレンズをオートフォーカスとして使えるアダプターも登場している。最近のミラーレスにオールドレンズをつけて街を歩くのも粋だと思う。

 製品そのものの素晴らしさは言わずもがなだが、新品では手に入らないものを探し求める楽しみも含めてヴィンテージの魅力と言っても過言ではないだろう。

文と撮影・SHIN