市販の遊び道具を持ち込むのは禁止。里山で自分で見つけるのがここのルールだ。危険なことも山ほどあるが、どう回避していくかは、自分で考え、それでも分からないときには、上級生が教えてくれる。
「体が許す限り子供を撮り続けたい」
と熱く語る岡本さん=SHIN撮影
「奇跡的な出合いだった」と岡本さんは振り返る。もうないと思っていた風景がまだ残っていたのである。2006年から通い続け、3年前の夏に写真と共に一冊の本にまとめた。
自転車を解体することで構造や仕組みを知る=千葉・木更津社会館保育園の学童保育「土曜学校」自然で2011年11月
「ここは僕にとっての一つの到達点だと思っています。同時に、毎日毎日違うことが起こるのが里山学校。もっともっと撮りたい気持ちは常にありますね」
岡本さんの「昭和の原風」を追い求め、記録する旅はまだ終わらない。
岡本央さんの写真集「ないないづくし
の里山学校」(家の光協会)は絶賛発
中。問い合わせは📞03・3266・9029
(販売)へ
おかもと・さなか 宮城県大崎市生まれ。
出版社を経てフリーとなる。「中国」「日
本の農村」「国境を越えた日本人」など、
“人間と風土”をテーマにした多くのフォト
ルポ ルタージュを各誌に発表。同時に、
長年ライフワークとして「『自然と風土に
遊び学び、働く』世界の子どもたち」をテ
ーマに撮影を続けている。主な著書に「Y
BT・横浜ボートシアターの世界」 (リブ
ロポート社)「馬と遊ぶ馬と走る モンゴル
大草原―内モンゴル―」(草土文化)「ブ
ータン 幸せの国の子どもたち」共著(東
京書籍)
文・今村博幸 撮影・岡本央