昭和歌謡と懐かしグッズを肴に一杯飲る

 フードも新旧織り交ぜて過不足なくそろう。チビ太のおでん(税込み110円)や、昭和コロッケ(同132円)、昭和のナポリタン(同429円)など、大人が思わず涙するメニューもあるが、ぜひ食べてほしいのはタコウインナー(同319円)。味もさることながら、その形状の魅力は不滅だ。もう一つ、チキンラーメン(同220円)もお薦めしたい。中心に生卵を落としてある豪華版。一口すすると止まらなくなってしまう、今も続く不滅の名作インスタントラーメンの一つである。

店長の富永さん。柔らかい物腰
で、調理から接客までをこなす

 また、代々木ミルクホールは、酒の味が飲む環境で違うということを教えてくれる。ここまで昭和グッズに囲まれると、おじさん世代は、過去の喜怒哀楽の味がするはずだ。若い人たちは新しい感覚で、飲める仕掛けになっている。昭和について富永さんの印象を聞いた。「たとえば、アイドルにしても、いろんなジャンルの人がいたし、楽しいと思う。グッズも、昔のものは可愛いし温かみを感じます」

オレンジの光は柔らかい。いまどきなら
LEDがはめられていると思ったが、昔の
ままの電球。細部にこだわりが見える  

 カウンターでふと見つけた木製の角柱があった。神社にあるようなクジ引きの箱だ。小吉だとハイボールが5%オフ、大吉なら無料になる。ただし、ハズレだと、1㍑のホームランサイズ(特大)のビールを飲むはめになる。1杯飲むごとに、何度でもチャレンジ可能だ。そんなふうに、代々木ミルクホール本店は、エンターテインメント性にも満ちた居酒屋。老若男女が普段のモヤモヤを忘れて時を過ごせる場所でもあるのだ。

よよぎみるくほーるほんてん
東京都渋谷区代々木1-32-12 パリスビル2F
📞:03-6859-6700
営業時間:午後5時〜午後11時30分
(新型コロナウイルス感染拡大による時短要請に伴い2月13日まで臨時休業)
定休日:日、月

文・今村博幸 撮影・JUN

 

         

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