古いものを集めているうちに、新しい人との繋がりが生まれた。もちろん、人と出会い続ける以上、楽しい出会いもあるが、せつない出来事だってある。「あるご婦人が店に来て、紅梅キャラメルを探しているとおっしゃいました。病気で入院しているご主人が食べたがってると。でも、残念ながら、今は作られてませんし、私の店にもありませんでした。ちょっと寂しかったし悔しい気持ちでしたね」
店内に並ぶグッズや駄菓子は、数え切れないほどの種類と数。訪れる時には、この横丁で半日潰すぐらいの覚悟が必要だ
店をオープンして15年。今後はどうなっていくのかを韓さんに聞いてみた。「例えば、射的の銃を扱っている業者さんも非常に少ないし、いたとしても高齢の方が多い。今あるものが維持できればいいのですが、壊れてしまうと直す人がいなくなってしまう不安はあります。何しろ古いものですから。僕の気持ちは、なるだけ長続きさせたいということです。今のところ、これ以上何か新しいことをするつもりはあまりありませんね」
京成金町線柴又駅から帝釈天へ向かう道の途中に店はある。思わず引き込まれてしまいそうな外観。店内には、時間を忘れる空間が広がっている
韓さんのような人たちがいる限り、日本の古き良きモノたちは、必ずや生き続け語り継がれていく、という希望を捨てずにすむ。
取材の帰り際、BGMがジュリーの曲になった。カサブランカダンディだ。
しばまたはいからよこちょう
東京都葛飾区柴又7-3-12
📞03・3673・9627
営業時間:午前10時〜午後6時半
定休日:火 (博物館は土・日・祝のみ開館)
http://www2.odn.ne.jp/shibamata/index.html
文・今村博幸 撮影・柳田隆司