昭和のバラバラ殺人事件捜査の臨場感を写真で

JCIIフォトサロン(東京・一番町)

retroism〜article98〜

 日本カメラ博物館(東京都千代田区一番町)に併設のJCIIフォトサロンで3月30日から、「渡部雄吉作品展『張り込み日記』」が開催される。4月25日まで。

捜査本部にて(1958年)=写真はいずれもJCIIフォトサロン提供

 1958(昭和33)年1月、水戸にある千波湖のほとりでバラバラ殺人事件が起こった。同事件を担当したのは、警視庁捜査1課のベテラン刑事と茨城県警の若手刑事だった。この2人を写真家・渡部雄吉(24〜93年)は、20日間にわたって密着取材した。盛り場での聞き込みや上野駅での張り込みをはじめ、合同捜査本部、容疑者を追い詰める取り調べの様子などをカメラに収めているほか、事件と向き合う刑事の気迫、高度経済成長期の東京の街並みなど「昭和」という時代が活写されている。

 渡部は、50年代に「文藝春秋」「中央公論」などで作品を発表した後、60年代以降は、エジプト、アフリカ、アラスカ、ヨーロッパなど海外の取材を中心に活躍した。戦後のフォトジャーナリズムを代表する写真家のひとりとして知られている。

桜田門・警視庁前(58年)

 「張り込み日記」は、総合雑誌「日本」(大日本雄弁会講談社)6月号に一部が掲載された。没後の94年には、同フォトサロンでの回顧展で21点が展示された。その後、2011年にフランスで写真集が出版されると世界中で話題になり、日本でも2冊の写真集が発売されている。今回は、「日本」で掲載した全作品に、同フォトサロン収蔵ネガからのニュープリントも加えた新しい構成(53点、全てモノクロ)となっている。

 同フォトサロンの白山眞理さんは「迫力のあるドキュメンタリー作品とモノクロプリントの美しさをお楽しみください」と来場を呼びかける。

 開館は午前10時〜午後5時。月曜休館(祝日の場合は開館)。入場無料。問い合わせは03・3261・0300(JCIIフォトサロン)。

【レトロイズム編集部】

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