おせちに込められた意味をかみしめ 正月を味わう

 餅も結構手間がかかる。米を蒸して臼に入れ杵(きね)でついていく。男1人が(時には2人か3人がかりで)、杵を振り上げ、お母さんやおばあちゃんがその間をぬってこねていく。湯気がたちのぼり米のいい香りが漂ってくる。餅つきには「子孫繁栄」「一族の繁栄」を願う意味があると言われる。臼が女性、杵が男性を意味していることはあまり知られていない。

 しかし、その習慣もほぼなくなっている。「(もちつき)大会」は各町内で行われているところもあるが、各家庭で餅つきをすることはまずないだろう。店に売っているからである。ただ、雑煮を食べる習慣は全国に残っている。東は角餅、しょうゆベース、西は丸餅、みそベースなど、地域によって違いがあり、香川県ではあんこが入ったあん餅を使用する。地域によって餅の形状や味付けも異なる雑煮。正月の食卓にはかかせない料理だ。ごくわずかだが、毎年喉に詰まらせて天に召される方も

 毎年でなくてもいい。全部じゃなくても構わない。さすがに餅つきは難しいが、何年かに1回は、正月の意味を考えながら、おせちを作ってみてはどうだろう。もともと主婦がゆっくり休めるように日持ちのする料理が用意された意味合いもあるが、新年を迎えるにあたり、気分が変わることは確かだろう。

 正月を楽しみにするのは、新しい年を健康で迎えられたことに対する感謝があるからだ。おせちを食べながら、大きな声では言えないが、昼間から酒を大っぴらに飲めるのも、酒飲みにはうれしいかぎりだ。これだけは昔から変わってない。

 本年もレトロイズムをよろしくお願いいたします。

文・今村博幸

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