正月一覧

古き良き風習「餅つき」「鏡餅作り」を懐かしむ

手がかじかんでしまう寒さの中で、温かそうなもち米が蒸される温かそうな湯気が噴き上がっていた。  横には、杵(きね)と臼がスタンバイしている。母の実家は九州・佐賀県の田んぼに囲まれた集落の中の一軒だったので、広い庭があり、そこで一連の作業を行うのが恒例になっていた。正月の準備が本格化するのは、暮れの28日ごろだった。都会に住んでいた筆者は、子供の頃から正月の一大行事として餅つきの様子をほぼ毎年、ワクワクしながら眺めたものである。

おせちに込められた意味をかみしめ 正月を味わう

 お正月の定番料理といえば「おせち」だ。  大みそかの夜から元旦にかけて、こたつや大きなちゃぶ台でおせちを囲み親戚一同が集まり、食べて飲むのが昔ながらの正月の過ごし方だった。しかし、そんな風景も、核家族化の中でずいぶん様変わりした。同時に、おせちの有り様(よう)からその意味合いまで、昭和の時代とは異なってきた。