昭和の名曲「神田川」の世界をジオラマで再現

 「この場所は豊島区が借りているんです。肉屋が退去して完全に空いたということで、大家さんの方から『建物を生かした形で街づくりに貢献したい』と声をかけていただきました。本当にありがたいお話で、いろいろ検討した結果、『昭和レトロ館』にしようという話にまとまったんです」野球盤は子供たちを興奮させた。男の子も女の子も熱中した

 1階が店舗、2階はアパート(美容院は別)になっている当時では珍しい造りになっている。同じようなマーケットが周辺に2〜3軒ぐらいあったという。今はコンビニやスーパーマーケットに客が流れた。時代のすう勢としか言いようがない。しかし、こういう形でこういう場所があったということを昭和レトロ館が残してくれた。ありがたいことである。昭和のおもちゃが部屋に並ぶ。万華鏡は子供の心にはとても不思議に映った

 秋山さんは、昔を懐かしむように言う。「私は昭和30年代生まれ。母親は毎日買い物に行っていました。あの頃は電気冷蔵庫も普及途上の時代でした。今日買った生鮮食料品はその日のうちに食べないといけない。だから、こういうマーケットは当時の庶民には必要だったのだと思います」。昭和はマンガ全盛の時代。マンガ週刊誌は誰もが発売日を楽しみにしていた