「妄想と願望」で架空の純喫茶 まさかの商品化⁉︎

サンキューマート原宿表参道店(東京・原宿)

retoroism〜article164〜

 あらゆる世界観を小さな「グッズ」に投影し、所有することで楽しい気分にさせてくれる。いわゆる疑似体験とも違う、モノを手にすることで心躍る気分にさせてくれるのが「サンキューマート」の商品である。

スタッフの佐藤あゆみさん。「純喫茶 アム
ール」グッズを全身にまとってもらった 

 2002(平成14)年、大阪・アメリカ村で1号店をオープンしたサンキューマートには、「独自の風土がある」とマーケティング部の土井七海さんが解説する。「20年前の開店当時、流行していた古着やアメリカ雑貨をメインに扱っていたこともあり、今も社内に海外のレトロなキャラクターに親しみを感じる風土があると思います

 一方で、時々の流行を追った商品展開も行ってきた。最新トレンドを取り入れた商品に加えて、創業当時の系統を受け継ぐ海外アニメや往年の名作映画、ファッション雑貨など、海外のニッチなコンテンツにフォーカスした商品ラインアップも魅力のひとつだ。架空の喫茶店「純喫茶 アムール」のステッカー。喫茶店にまつわるステッカー自体、最近は見かけなくなった

 比較的若い客が多く、数年前から懐古主義的なブームが始まった。「大人世代には懐かしさが、Z世代には逆に『新しい文化』と認識され注目されるようになりました。その若者の感覚に後押しされる形で、それらのグッズも増えてきました」 

 今回、同店が注目したテーマは「純喫茶」である。昭和の時代、どこの街角にも存在して「時代の風景」になっていた文化そのものであり、街を形作るピースとしてなくてはならない場所でもあった。また、さまざまな情報も発信され、街の重要な社交場として機能した。当時、「喫茶店」は欠くことのできない存在であり、「純喫茶」は、時代のキーワードだったのである。特に純喫茶と呼ばれていた時代の喫茶店は、現代において遺産のような存在で、非日常が詰まったある意味特殊な場所として認識されている。

ロゴの入ったシンプルなものやカラフルなクリームソーダ柄のTシャツも面白い

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