古書・往来座(東京・池袋)
retroism〜article7〜
Y字の木の枝にゴムをつけ、小石を飛ばす自作のおもちゃは、パチンコと呼ばれていた。どの年代の人までが遊んでいたかは定かではないが、少なくとも60歳前後の人ならば、いや50歳以上ならば、子供の頃の記憶に鮮明に残っているはずだ。そんな懐かしい商品が置いてあるのも古書店「往来座」の魅力だ。赤いパンツが憎らしいほど似合う店主の瀬戸雄史さんが、ほがらかに話す。「店の中はシュールでありたいんですよ。なんでここにこれが?っていうのがいいと思っています」
「小さな逃亡者」を撮り、ロバート・キャパを撮ったことでも名をはせたルース・オーキンのポートレートパネル。シブい
ほかにも、妙なグッズが随所に散りばめられている。年代物のタイプライターや8ミリカメラ、古い医療器具や木製のコマ、メモリのない三角定規(いつの間にか何者かに買われ、現在はない)など、本を目当てに来た人でも、思わず本を探すのを忘れる。
「その時に何となくトキめいたら」何でも売るのが、瀬戸さんの
ポリシー。古いタイプライターも売れ筋商品の一つだという