一方、巷では「コックリさん」がはやった。文字と数字が書かれた紙の上に乗せ、「コックリさん、コックリさんさん、おいでください」と呼びかけて、憑依霊を呼び出し、質問をするとコインがスーっと動いて、答えを導いてくれるという不思議な遊び(占い)だ。意外と当たることも少なくなく、気味が悪かった。子供の心は純粋だったのだ。すべての背景には、「当時の不安な世相」があったと初見さんは分析する。ユリゲラーはスプーンをグニャグニャと曲げ、矢追健一が先頭に立って、UFOの写真をテレビで流していた。宇宙人と遭遇したとか交信したとか大言壮語のオンパレードで、物理学者の大槻義彦(早稲田大学)教授のやりとりは、子供にも漫才にしか見えなかった。
一大ブームを起こしたコックリさん。やっている間の緊張感は半端なく、怖かったのを覚えている
こう見てくると、やはり昭和は面白い。以前取材をさせてもらった人に、「昭和ってどういう時代だったか」と質問したことがあった。彼はいみじくも「激変」と言った。
「激しい変化の時代だった。戦争もあったし高度成長もありました。楽しいことよりも、大変なことの方が多かった気がしますね」
そんな背景の中、トンデモブームが、渦巻いていたことが、必然に感じてしまうのである。
文・今村博幸