フラフープ、ファミコン…いま蘇る記憶の底の宝物

 テレビが普及したのは、昭和40年代。テレビは、瞬く間にほぼ全世帯が所有するようになり、子どもたちは、マスメディアに影響を強く受けるようになる。次々に新しい流行やブームが訪れては消えて、あらゆる種類の遊びやおもちゃが生まれた。一方、路地や空き地などの遊び場が減少し、代わりに登場したのが、1983(昭和58)年に開園した東京ディズニーランドなどの新しい(屋外の)遊び場だった。同年には、ファミリーコンピュータが売り出され、「テレビゲーム」というジャンルを確立し、遊びの形を大きく変えた。おもちゃの変遷を見ると、時代がどんどん変わっていく様子が手に取るように分かるのだ。

「歴博商店」と題した姿を消しつつある駄菓子屋を再現展示したコーナーも 

 それらの流れを、展示資料や写真などと共に、わかりやすく解説しながら、子どもたちの遊びの歴史を俯瞰(ふかん)で学べる、実に興味深い企画展になっている。その他、あいうえお順にさまざまな遊びやおもちゃを紹介する「遊びとおもちゃの辞典」、東京おもちゃ美術館(東京・四谷)所蔵の郷土玩具を展示する「祈りの郷土玩具」のコーナー、子どもたちの社交場であり、姿を消しつつある駄菓子屋を再現展示した「駄菓子屋を再現!」も。

戦前のおもちゃ。福笑いや羽子板なども展示されている

 来館者は親子連れも多い。「お父さんたちはこんなもので遊んでたんだよ」と言う伝達の場所にもなっているという。

 藤本さんは最後にこう締めくくった。「少しでも懐かしく思っていただければ。記憶は積み重なっていくので、子どもの頃のことを思い出す機会はなかなかありません。『記憶の底にある宝物』をもう一度心に蘇らせていただければうれしく思います」

 午前9時30分〜午後5時30分(入場は午後5時まで)。入場無料。8月22日(月)は休館。問い合わせは新宿歴史博物館03・3359・2131

【レトロイズム編集部】
昭和の子どもたちの遊びのアーカイブはこちら

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