トキワ荘から生まれた少女マンガを集めた企画展

豊島区立トキワ荘マンガミュージアム(東京・南長崎)

retroism〜article121〜

 ミュージアムに足を運ぶ楽しさは、なんといっても、本物や精巧に復元されたレプリカなどが見られることにある。もう一つ大きいのは、学芸員はじめ彼らの発案した切り口や視点のユニークさに触れられることだろう。東京都豊島区南長崎にある「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」で開催されている「トキワ荘の少女マンガ」は、「その手があったか!」と、マンガファンをうならせる企画展となっている。12月5日まで。

「トキワ荘の少女マンガ」のフライヤー
©︎手塚プロダクション、©︎水野英子  

 トキワ荘といえば、個性豊かなマンガ家たちが若かりし日に切磋琢磨(せっさたくま)した場所。男だらけのイメージがあり、彼らが一流のマンガ家として育っていった出発点でもあった。そこに少女マンガという意外な切り口を持ってきたのは大変興味深い。確かに、少年マンガは男性作家、少女マンガは女性作家が描くものという、いわば固定概念があった。ただ、考えてみれば、手塚治虫の「リボンの騎士」など、有名になった作品があるように、トキワ荘の面々も少女マンガを描いていたのである。

手塚治虫「エンゼルの丘」©︎手塚プロダクション

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