トキワ荘から生まれた少女マンガを集めた企画展

 同企画展では、彼らが描いた少女マンガの一部を、直筆や複製原稿、掲載誌及び単行本などで紹介している。今回の展示のために、手塚治虫が入居した1953(昭和28)年〜最後の住人・山内ジョージが退去した62(昭和37)年までの10年間を再調査し、入居者の少女マンガ作品リストを作成して展示している。また、同時期の10年間に出版された雑誌、活躍したマンガ家と変遷も紹介している。さらに、23(大正12)年に大日本雄辨會講談社(現・講談社)が創刊した「少女クラブ」編集長だった丸山昭氏とマンガ家たちとの結びつきも興味深い。赤塚不二夫と石森章太郎が「いずみあすか」名義で、赤塚不二夫と水野英子、石森章太郎の3人が「U・マイア」名義で描いた作品も楽しめる。

赤塚不二夫「まつげちゃん」©︎赤塚不二夫

 いわゆる少女マンガが、本格的に時代の表舞台に出てきたのは70〜80年代になってからである。池田理代子の「ベルサイユのばら」や萩尾望都の「ポーの一族」など、次々に女流マンガ家が現れた。それもこれも源流を辿ると、トキワ荘に行きついてしまう。小さなアパートの偉大さを改めて思い知らされる企画展とも言えそうだ。

 午前10時〜午後6時(最終入館午後5時半)。月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)、特別観覧料大人500円、小中学生100円。ホームページからの事前予約優先制。問い合わせは03・6912・7706(豊島区立トキワ荘マンガミュージアム)

【レトロイズム編集部】

※手塚治虫、手塚プロダクション、手塚の「塚」は旧字体

 

 

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